桃(モモ)
モモ(桃、学名 Amygdalus persica)はバラ科モモ属の落葉小高木。また、その果実のこと。春には五弁または多重弁の花を咲かせ、夏には水分が多く甘い球形の果実を実らせる。中国原産。食用・観賞用として世界各地で栽培されている。
モモの実
7月 - 8月に実り、「桃の実」は秋の季語。球形で縦に割れているのが特徴的な果実は赤みがかった白色の薄い皮に包まれている。果肉は水分を多く含んで柔らかい。水分や糖分、カリウムなどを多く含んでいる。栽培中、病害虫に侵されやすい果物であるため、袋をかけて保護しなければならない手間の掛かる作物である。また、痛みやすく収穫後すぐに軟らかくなるため、賞味期間も短い。生食する他、ジュース(ネクター)や、シロップ漬けにした缶詰も良く見られる。食用の品種(実桃)の分類を以下に示す。
水蜜(すいみつ)種
一般的な桃。果肉の色は、白色系、黄色系、赤・ピンク系など。皮には柔らかい毛が生えている。
白桃(はくとう)・白鳳(はくほう)系
現在、日本の市場に多く出回っている品種は、「白桃(はくとう)」系と「白鳳(はくほう)」系の桃である。
「暁(あかつき)」「暁星」「明星」「夕空(ゆうぞら)」「川中島白桃(かわなかじまはくとう)」「まどか」、冬に実が熟す「名月(めいげつ)」などの品種がある。
黄桃(おうとう)系
果肉が黄色い桃。缶詰に加工され出回ることが多い。近年、生食用の黄桃「黄金桃(おうごんとう)」「ゴールデンピーチ」の出荷、販売が多くなっている。
ネクタリン(Nectarine)・椿桃(つばいもも・つばきもも)
皮が赤く、毛は、ほとんど無い。果肉は、黄色でやや硬い。「光桃(ひかりもも)」「油桃(あぶらもも)」とも呼ばれる。
蟠桃(ばんとう)
扁平な形をしている。中国神話では、西王母と関連がある。
桃の栽培
原産地は中国西北部の黄河上流の高山地帯。欧州へは1世紀頃にシルクロードを通り、ペルシア経由で伝わった。英名ピーチ(Peach)は“ペルシア”が語源で、ラテン語のpersicum malum(ペルシアの林檎)から来ている。種小名persica(ペルシアの)も同様の理由による。 日本列島では桃の存在を示す桃核の出土事例が縄文時代後期からあり、弥生時代後期には大陸から栽培種が伝来し桃核が大型化し、各時代を通じて出土事例がある。桃は食用のほか祭祀用途にも用いられ、斎串など祭祀遺物と伴出することもある。平安時代 - 鎌倉時代には水菓子と呼ばれ珍重されていたが、当時の品種はそれほど甘くなく主に薬用・観賞用として用いられていたとする説もある。江戸時代に更に広まり、全国で用いられた。明治時代には、甘味の強い水蜜桃系(品種名:上海水蜜桃など)が輸入され、食用として広まった。現在日本で食用に栽培されている品種は、この水蜜桃系を品種改良したものがほとんどである。 なお、“もも”の語源には諸説あり、「真実(まみ)」より転じたとする説、実の色から「燃実(もえみ)」より転じたとする説、多くの実をつけることから「百(もも)」とする説などがある。桃の主な生産地
日本国内では福島県、山梨県、長野県、岡山県など盆地で栽培される。日本最北端の生産地は、北海道札幌市である。出荷数は、極僅かだが、札幌市南区の農園で栽培される。主な生産国は、中国、アメリカ、イタリアなど。桃の収穫量
市町村別収穫量(平成16年) 1位 笛吹市(山梨県) 22,000t 2位 福島市(福島県) 12,600t 3位 山梨市(山梨県) 11,100t 4位 塩山市(山梨県) 7,300t(現・甲州市) 5位 長野市(長野県) 6,530t桃の風習・伝説・年中行事など
桃饅頭
中国において桃は仙木・仙果(神仙に力を与える樹木・果実の意)と呼ばれ、昔から邪気を祓い不老長寿を与える植物として親しまれている。桃で作られた弓矢を射ることは悪鬼除けの、桃の枝を畑に挿すことは虫除けのまじないとなる。桃の実は長寿を示す吉祥図案であり、祝い事の際には桃の実をかたどった練り餡入りの饅頭菓子・壽桃(ショウタオ、shòutáo)を食べる習慣がある。壽桃は日本でも桃饅頭(ももまんじゅう)の名で知られており、中華料理店で食べることができる。
日本においても中国と同様、古くから桃には邪気を祓う力があると考えられている。『古事記』では、伊弉諸尊(いざなぎのみこと)が桃を投げつけることによって鬼女、黄泉醜女(よもつしこめ)を退散させた。伊弉諸尊はその功を称え、桃に大神実命(おおかむづみのみこと)の名を与えたという。また、『桃太郎』は桃から生まれた男児が長じて鬼を退治する民話である。3月3日の桃の節句は、桃の加護によって女児の健やかな成長を祈る行事である。果実は形状と色彩が女性の臀部に似ていることから、性と豊饒の象徴でもある。花あるいは果実の色である桃色(ピンク)も、性的な意味に用いられる。
“モモ”の名を持つ植物
地方によっては甘い果実の総称として“もも”の語を用いることもあり、別種でありながら名前に“モモ”と付けられている植物も多い。
スモモ(李/酸桃):バラ科サクラ属
ヤマモモ(山桃):ヤマモモ科
コケモモ(苔桃):ツツジ科
クルミ(胡桃):クルミ科クルミ属
フトモモ(蒲桃):フトモモ科
キウイフルーツ(獼猴桃、びこうとう):マタタビ科マタタビ属
ゴレンシ(楊桃、ようとう):カタバミ科
その他、桃に関すること
桃色
色のひとつ。薄い赤色。ピンク。
桃栗三年柿八年(ももくりさんねんかきはちねん)
発芽から結実まで、桃や栗は三年、柿は八年かかる。物事を成し遂げるには時間がかかることを示唆することわざ。
桃栗三年柿八年 梨の大馬鹿十八年(-なしのおおばかじゅうはちねん)
桃栗三年柿八年 くるみの大馬鹿二十年(-くるみのおおばかにじゅうねん)
などと言われる地方もある。
桃割れ(ももわれ)
日本髪の髪型。丸くまとめた髷(まげ)の部分が二つに分かれていて、割った桃のように見える。明治期に考案され、大正期までは未婚女性の髪型として盛んに結われていた。
桃尻
モモの実はすわりが悪い事から、馬に乗るのが下手で鞍に尻が落ち着かないことを指す言葉。この語源以外に、(専ら女性の)モモのように美しい形をした尻を表現する際に使われている。
桃源郷
俗世間を離れた、素晴らしいところ。理想郷。ユートピア。
日本文学
夏目漱石『三四郎』で、三四郎は、列車内で広田先生から水蜜桃を振る舞われる。桃をめぐる正岡子規やレオナルド・ダ・ヴィンチのエピソードも出る。
花言葉
天下無敵・チャーミング・私はあなたのとりこ
すもももももももものうち(李も桃も桃のうち)
早口言葉
wikipediaより引用します
